活用しよう新会社法
新会社法では、旧商法にはなかった新しい制度がたくさん設けられました。特に、中小企業の経営の自由度は、かなり大きくなっています。
たとえば、中小企業では、通常、会社が発行する株式全部に譲渡制限(株式の譲渡に会社の承認を必要とするもの)がついていますが、このような会社では、取締役会を置かないことができ、取締役会を置かない場合は取締役も1人いればよいことになっています。また、取締役の任期も10年まで伸ばすことができます。取締役会を置かない会社では、監査役も不要です。
こうした様々な新制度を利用して、会社の経営を効率化したり、合理化したりしてみませんか。是非、ご相談ください。また、顧問契約を結んでいる場合は、こうしたご相談は、顧問料の範囲内です。
きちんと作ろう契約書
取引関係の紛争の解決において、契約書の存在は極めて重要です。ところが、多くの会社において、契約書どころか発注書や発注請書もなしに取引をしています。
また、形式的に契約書は作っていても、内容が不十分であったり、不利な内容になっていたりするケースもしばしば見られます。もちろん、相手方との力関係で、契約内容が不利にならざるを得ないケースがありますが、対等あるいはこちらが優位な関係であるにもかかわらず、漫然と契約書に判を押すことによって、不利な契約をしてしまっていることもあります。事業者間の契約では、たとえ契約の一方当事者に著しく不利な条項となっていても、いったん判を押した契約書の効力を争うことは、極めて困難です。
転ばぬ先の杖です。大事な契約書は、弁護士に見てもらいましょう。当事務所では、顧問先の上場企業の依頼も含めて、日常的に契約書のチェックをしています。顧問契約を結んでいる場合は、簡単な契約書のチェックは顧問料の範囲内です。
しっかり与信管理・債権回収
不況下で、与信限度の設定や売掛金の回収に頭を悩ませている企業が増えています。
しかし、与信管理や債権回収に奇策はありません。取引先の倒産などで大きな損害を受けていない会社は、与信限度の設定にあたってのチェックポイントの確認、債権回収に有利な契約書の作成、取引先の危険な兆候の観察など、地道な努力をしています。中小企業でも、しっかりとしたところは、こうした努力を怠らず、状況に応じて、事前に「こういう会社とこういう取引をしようと思うのですが、どうでしょう。」とか「何か債権保全のための手段はありますか」と相談に来ます。こうした相談も、顧問料の範囲内です。
大企業の横暴を防ぐ独禁法・下請法
中小企業、特に大企業の下請企業は、大企業の横暴に泣かされているケースが多数あります。こうした大企業の横暴に対抗する中小企業の法律的な武器が、独占禁止法や下請法です。
大手コンビニの本部が、賞味期限切れ直前のお弁当の値引き販売を禁止し、違反した加盟店に対して、契約違反を理由とする解約などを仄めかして圧力をかけた事件で、立場の弱い加盟店側が本部に対抗する手段として使ったのが独禁法です。大企業も、独禁法や下請法の遵守には、神経を使っています。
大企業の横暴に悩む中小企業の社長さん、是非ご相談ください。
紛争を防ぐ労務管理(労働時間、賃金、解雇、セクハラ、パワハラ)
昨年の9月からの不況で、さまざまな労働事件が増加しています。顧問先からの相談も、業務外の原因による病気を理由とする従業員の解雇の手続、上司の指示に違反して会社に損害を与えた従業員の解雇の効力、合理化のための大幅な配置転換や転勤命令の効力、退職後の時間外手当や深夜手当の請求などさまざまです。
よくあるケースは、不況下でもきちんと業績を伸ばし、従業員にも活気がある会社であるにもかかわらず、就業規則等の社内規定が整備されていないというものです。事業の維持に手一杯で、そこまで手が回らないのかもしれません。こうした会社で解雇や賃金の問題が起きると、就業規則等の社内規定が整備されていないために、会社の主張の足がかりとなるものがなく、会社側が極めて不利となってしまいます。常識的に見て明らかに「問題社員」でも、社内規定が整備されていなければ、「問題社員」に対する処分は、会社の横暴と言われかねないのです。
労務の問題は、適切な社内規定を整備し、この規定に基づいて根気よく対応していくしかありません。逆に言えば、適切な社内規定に基づいて根気よく対応した上であれば、有効に「問題社員」を処分することがきるのです。
当事務所では、日常的にこうした社内規定の整備や個別の労働事件(会社側)の対応に関わっています。是非ご相談ください。
同族会社のトラブル
中小企業の多くは同族会社であることが多く、経営者と従業員が親族であることから、いざというときは極めて強い結束が生まれますが、一度内部で対立が起きると、泥沼の紛争となっていきます。よくある紛争は、多数の株式を持っている親族役員同士が対立し、場合によっては会社の分裂を招くというものです。こうした紛争を防止するには、経営者が将来を見通して、法律的な対策をとることが必要です。
新会社法の活用の項目で説明したとおり、新会社法では、様々な制度が新設されており、これらの制度を活用すれば、紛争の予防や対策に役立てることができます。
紛争の芽が生まれる前に、是非ご相談ください。
出直しか立直しか負債の整理(任意整理・自己破産・民事再生)
長い間借入金の返済に苦心してきたが、売上が減少してこれ以上返済ができなくなった、取引先の倒産で大きな損害を被り、資金繰りがつかなくなった、新設備を導入して生産量を増やしたが、大口の顧客からの発注量が大幅に減少したので、新設備のリース料が払えないなど、様々な理由から、会社が倒産の危機に瀕することがあります。
しかし、倒産と一口に言っても、法律的には、任意整理、自己破産、民事再生、会社更生など、様々な選択肢があり、倒産の危機に瀕した会社の状況によっては、事業を再生することが可能な場合もあります。
当事務所では、経営者の相談相手となり、倒産の危機に瀕した会社の状況から、どのような法的な選択肢を選ぶのが最も適切かを考えます。
当事務所では、相当規模の中堅企業の民事再生申立をはじめ、多数の倒産事件を取り扱った経験があります。安心してご相談ください。
後継者に未来を託す事業承継
中小企業の経営者の大きな課題は事業承継です。事業承継について適切な対策を講じておかないと、経営者にもしものことがあったときには、単なる相続争いではすまない、会社や従業員を巻き込んだ骨肉の争いに発展します。
このような争いを防ぐ事業承継対策には、新会社法の諸制度、生前贈与、遺言の活用が考えられますが、さらに、平成20年10月から中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律が施行され、今まで解決することができなかった問題や税務上の問題に対処することができるようになりました。
事業承継に悩む経営者の方に、上記のさまざまな法律を利用した対策を提案します。是非、ご相談ください。
ネット通販・電子手形などの対応
取引のIT化と言えば、まず思い浮かぶのが、ネット通信ですが、ネット通販には様々な規制があります。販売する商品やサービスによって各種業法の規制があるほか、特定商取引法によって、Webショップの画面の作り方や開示すべき情報などが細かく定められています。Webショップを立ち上げるには、こうした規制をクリアーしなければなりません。
また、IT化の波は、取引の決済にも及び、平成20年12月から電子記録債権法が施行され、売掛金を電子化してインターネット上で取引することができるようになりました。
この制度を利用すれば、紙の手形を利用することなく、売掛金を支払期日前に現金化することが可能となります。しかも、インターネットを利用した取引なので、わざわざ金融機関に出向く必要もありません。
このように取引のIT化には、法律による規制と法律上の制度の活用の2つの面がありますが、いずれも面でも法律の正確な理解が不可欠です。当事務所では、こうしたITに関わる法律の相談にも対応しておりますので、是非ご相談ください。
不祥事を防ぐ経営(内部統制、内部通報、個人情報保護など)
コンプライアンスの問題は、大企業だけでなく中小企業も避けては通れない問題です。食品の産地偽装や消費期限改ざんなどの不祥事は、そのほとんどが上場企業ではなく中小企業で発生しており、不祥事を起こした企業の業績に大打撃を与え、経営者は、会社に対する民事上の責任はもとより刑事上の責任を問われることになります。
経営者にとって、こうした不祥事を防げる体制をどのように構築していくかは、極めて重要な課題であり、会社法上の内部統制システムや公益通報者保護法などの理解と活用が求められます。
当事務所では、内部統制システムの構築、内部通報制度の設置・運営、個人情報保護法への対応などの相談にも応じておりますので、是非ご相談ください。
その他の事件
上記のほか、次のような事件を取り扱っております。
- FC契約の更新を求める裁判
FCの本部が、加盟店に対して、一方的に契約の終了を通告してきたため、加盟店から、本部に対して、契約の更新を求め起こした裁判です。契約の終了するを認める代わりに、多額の和解金を支払うことで和解が成立しました。
- FC契約締結時の虚偽説明を理由として損害賠償を求める裁判
コンビニエンスストアのFCの本部が、加盟店を勧誘する際に売り上げ見通しに関して虚偽の説明をし、この説明を信じてFC契約をした加盟店が多額の損害を被ったため、FC本部に損害賠償を求めた裁判です。こちらの損害額をほぼ認める和解が成立しました。
- 手形金請求事件
偽造された手形に基づく手形金の請求を争った事件です。原告の請求を退けました。
- 請負代金請求事件
工事代金の支払いを遅延する下請業者に対して、孫請け会社が、請負代金の支払いを求めた事件です。請負代金のほぼ満額を回収しました。